介護食の作り方の基礎と簡単レシピ集｜初心者向けやわらか食・保存のポイントも解説

著者：お弁当どんまい

介護食の準備に悩んでいませんか？「どんな食材を選べばいいの？」「調理方法が難しそう…」と感じている方は多いはずです。日本では高齢者のうち、約15％が何らかの咀嚼や嚥下の困難を抱えていると言われています。栄養バランスや食べやすさを工夫した介護食が、毎日の健康と生活の質を大きく左右するのです。

しかし、「食材が固くて食べづらい」「見た目が単調で食欲がわかない」といった悩みは、家庭だけでなく介護施設でもよく耳にします。さらに、介護食作りにかかる時間や手間、衛生面の不安も無視できません。ご存知ですか？ 適切な調理法や保存方法を知ることで、介護食の負担を大幅に減らせるだけでなく、食事の楽しさや安心感もアップします。

「毎日の食事がもっと楽になった」「高齢の家族が笑顔で食卓につくようになった」という実例も少なくありません。今、介護食作りの知識を身につけることは、これからの健康管理や介護負担の軽減に直結しています。

本記事を最後まで読むことで、ご家庭でも無理なく介護食を取り入れ、安心して毎日の食事を楽しむための具体的なポイントが手に入ります。

介護食の基礎知識と作り方｜初心者でも安心して始められるポイント

介護食とは？目的・基本定義・対象となる方

介護食は、噛む力や飲み込む力が低下した方や高齢者、病気などで通常の食事が難しい方のために工夫された食事です。目的は、食べる楽しみや栄養をしっかり確保しながら、安全に食事できるよう配慮することにあります。対象となるのは、加齢や疾患による嚥下機能の低下がみられる方、リハビリ中の方などです。適切な介護食を選ぶことで、健康維持や誤嚥予防につながります。

介護食の種類と特徴｜きざみ食・ミキサー食・ペースト食・ソフト食

介護食には、状態や嚥下機能に応じたさまざまな種類があります。主な特徴は下記の通りです。

種類	特徴	対象となる方
きざみ食	通常の食材を細かく刻んだもの	噛む力が少し弱くなった方
ミキサー食	食材をミキサーでペースト状に加工	嚥下力が大きく低下した方
ペースト食	なめらかな舌触りで、固形物が残らないよう加工	飲み込みがより困難な方
ソフト食	舌や歯ぐきでつぶせる柔らかさ、形も残る	食感を楽しみたいが噛む力が弱い方

それぞれの特徴を理解し、個々の状態に合わせて選ぶことが大切です。

介護食の食材選びと栄養バランスのポイント

介護食では、やわらかく加工しやすい食材を選び、見た目や味にも工夫します。栄養バランスを考慮することも重要です。おすすめの食材は以下の通りです。

• 豆腐や卵、白身魚など消化が良く、たんぱく質が多いもの
• じゃがいも、かぼちゃ、にんじんなど、加熱でやわらかくなる野菜
• 脂身の少ない肉、ミキサーにかけやすい牛乳や豆乳

栄養バランスを考える際は、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・脂質・炭水化物をバランス良く摂取できるよう、主食・主菜・副菜を組み合わせましょう。

調理器具の選び方と安全対策

介護食の調理には、以下のような器具を活用すると効率的で安全です。

調理器具	役割・ポイント
ミキサー・フードプロセッサー	食材をなめらかにすり潰す、ペースト状に加工できる
蒸し器	食材をやわらかく加熱しやすい
とろみ剤	飲み込みやすさを高め、誤嚥を防ぐ
シリコンスプーン	舌や歯ぐきでも食材が取りやすい

調理時は、食材の大きさや水分量を調整し、誤嚥リスクを減らす工夫が重要です。器具の衛生管理を徹底し、調理後はすぐに食べるか適切に冷凍保存しましょう。

介護食の「やわらかさ」と食べやすさの工夫

介護食では、噛む力や飲み込む力が低下した方にも安心して食事を楽しんでもらうために、やわらかさと食べやすさを追求した工夫が重要です。食材ごとに適切な調理法を選び、見た目や味にも気を配ることで、毎日の食事の満足度が大きく変わります。ここでは、ご飯やお粥、肉・魚・野菜のやわらかくする方法、食欲を高めるためのコツを詳しく紹介します。

やわらかご飯・お粥・全粥・うどんの作り方

やわらかい主食は、高齢者や嚥下機能が低下している方にとってとても重要です。以下の表に、代表的なやわらか主食の作り方をまとめました。

種類	ポイント	作り方のコツ
やわらかご飯	普通のご飯よりも水分を多めに炊く	米1：水2で炊飯し、炊き上がったらしばらく蒸らす
お粥	飲み込みやすさと消化の良さ	米1：水5～7で炊き、柔らかくなるまで煮込む
全粥	やわらかさと適度な食感	米1：水5で炊いて全体がとろっとするまで煮る
うどん	柔らかく煮ることでのどごしを良くする	乾麺を通常より長めに茹で、細かく刻むとより食べやすい

主食にとろみを加えたり、だしを活用して風味をプラスすると食欲が増します。

肉・魚・野菜をやわらかくする調理法

肉や魚、野菜はやわらかさや口当たりを重視した調理が必須です。以下の方法を取り入れると、さまざまな食材が安全で美味しくなります。

• 蒸す・煮る
  蒸し器や鍋でじっくり加熱すると、食材の繊維がほぐれやすくなり、やわらかく仕上がります。
  
• ミキサーやフードプロセッサーを活用
  加熱した食材をミキサーで滑らかにし、必要に応じてだしやスープで濃度を調整します。
  
• とろみ剤や片栗粉を活用
  ペースト状にした後、とろみをつけることで飲み込みやすさが向上します。
  
• ムース食やペースト食
  肉や魚はミキサーで細かくしてから豆腐や卵白と混ぜ、型に入れて加熱するとムース状になり、見た目もきれいです。
  
• 野菜は下茹でしてから調理
  人参やじゃがいもなど硬い野菜は、柔らかくなるまで下茹でしてから調理し、ミキサーでなめらかにします。
  

食材ごとにベストな調理法を選ぶことで、栄養も損なわずに安全な食事が提供できます。

食欲を高める見た目と味付けの工夫

介護食でも、食事の楽しさを感じてもらうためには見た目や味付けが大切です。以下の工夫を取り入れて、食欲を刺激しましょう。

• 彩りを意識した盛り付け
  緑黄色野菜や卵など色鮮やかな食材を組み合わせて、視覚的に楽しめる一皿にします。
  
• 小さな器を活用し品数を増やす
  少量ずつ複数の料理を盛り付けることで、食事に変化と楽しみが生まれます。
  
• 香りやだしの活用
  だしやハーブ、柚子などの香りを加えて、食欲を引き出します。
  
• 優しい味付けと塩分控えめ
  素材本来の味を活かしつつ、塩分は控えめに。だしの旨味を生かすことで満足感が高まります。
  
• ゼリーやムース状のデザート
  フルーツを使ったゼリーやムースは、やわらかく食べやすく、食後の楽しみになります。
  

食事の見た目や香り、味の工夫によって、高齢者や介護が必要な方の「食べたい」という気持ちをサポートできます。

介護食レシピ集｜人気・簡単・作り置きできるメニュー

介護食は、噛む力や飲み込む力が低下した高齢者やご家族のために工夫された食事です。安全で美味しく、毎日の食事を楽しめるように、主菜・副菜・スープ・デザートまで幅広いレシピを紹介します。調理のポイントや保存方法もまとめ、日々の介護食づくりをサポートします。

簡単な介護食レシピ｜主菜・副菜・スープ・デザート

毎日の食事を楽しく続けるために、気軽に作れる介護食レシピを紹介します。調理の際は、食材を柔らかくする、ペースト状やムース状にするなどのポイントが重要です。

主菜例

• 鶏ひき肉のやわらか煮込み
• 白身魚のムース
• 豆腐ハンバーグ

副菜例

• にんじんとじゃがいものペースト
• かぼちゃの煮物（とろみ付け）

スープ例

• ポタージュ（かぼちゃ・コーン・じゃがいも）
• 野菜たっぷりスープ（具材はしっかり加熱し、ミキサーで滑らかに）

デザート例

• ヨーグルトゼリー
• バナナムース
• りんごのコンポート

調理ポイントのリスト

• 食材は小さく切り、十分に加熱して柔らかくする
• 水分やだし、牛乳でなめらかさを調整
• 市販のとろみ剤を活用して誤嚥リスクを軽減
• 味付けは薄味を心がける

ミキサー食・ペースト食・ムース食の作り方

ミキサー食やペースト食、ムース食は、食材をより細かく加工し、飲み込みやすくした介護食の基本です。

種類	特徴	主な作り方
ミキサー食	食材をなめらかなペースト状に仕上げる	調理後、ミキサーで攪拌し水分を追加
ペースト食	ミキサー食より少し形状を残す場合もある	食材を加熱してつぶし、水分で調整
ムース食	ゼラチンや寒天で固めて舌でつぶせる	ペーストにゼラチン等を混ぜて冷やす

作り方の基本手順

1. 食材を十分に加熱して柔らかくする
2. ミキサーまたはブレンダーで攪拌し、なめらかにする
3. 必要に応じてだし・牛乳・豆乳などで濃度調整
4. ムースの場合はゼラチン等を混ぜ、冷やして固める

ポイント

• できあがりの硬さを舌でつぶせる程度にする
• 固さが足りない場合はとろみ剤やゼラチンを活用
• 食材ごとの水分量に注意して調整する

作り置き・冷凍保存のコツとおすすめレシピ

介護食は作り置きや冷凍保存が可能なメニューをうまく活用することで、毎日の食事準備の負担を減らせます。

おすすめの作り置きメニュー

• ミキサー食用のおかゆ
• 野菜や肉のペースト
• ムース状の主菜やデザート
• やわらかご飯やうどん

保存方法	ポイント
冷蔵保存	2～3日以内に食べきる。乾燥・酸化防止に密閉容器を使用
冷凍保存	小分けしてラップやフリーザーパックで密封し保存
解凍方法	冷蔵庫で自然解凍または電子レンジで加熱し再加熱する

作り置きの注意点

• 加熱後は急速に冷ます
• 保存前にしっかりととろみや濃度を調整
• 再加熱時にも食感や温度をチェック

便利なポイント

• まとめて調理し小分け冷凍しておけば、忙しい日も手軽に提供可能
• 作り置きしておくことで栄養管理がしやすい

安全で美味しい介護食づくりのために、毎日の調理や保存の工夫を取り入れて、ご家族の健康をサポートしましょう。

介護食のとろみ調整・嚥下対策の具体的手順

とろみ剤の種類と使い方

介護食でとろみをつける際は、食事の安全性と食べやすさを考慮して適切なとろみ剤を選ぶことが重要です。とろみ剤には主に次の種類があります。

とろみ剤の種類	特徴	主な用途
デンプン系	自然なとろみ・低コスト	汁物・みそ汁・お茶など
増粘多糖類系	少量でしっかりとろみ・無味無臭	スープ・ジュース・おかず全般
ミックス型	扱いやすく溶けやすい	飲料・料理全般

使い方のポイント

• 料理や飲み物1杯（約100ml）に対し、とろみ剤を少量ずつ加え、ダマにならないようしっかり混ぜる
• とろみの強さは、利用者の嚥下状態に合わせて調整
• 完全に溶けるまで2～3分待つと均一なとろみになる

とろみ剤は食事ごとに適切な量を調節しながら使用し、毎回同じとろみを再現することが大切です。

食材別とろみづけテクニック

食材ごとに適切なとろみづけを行うことで、より安全で美味しい介護食を実現できます。以下のテクニックを活用してください。

ご飯・おかゆ

• 炊いたご飯をミキサーにかけ、熱湯やだしを徐々に加えてペースト状にする
• とろみ剤や片栗粉でなめらかな食感に調整

肉・魚

• 柔らかく煮て細かくほぐし、だしやスープとともにミキサーにかける
• 仕上げにとろみ剤を加え、舌でつぶせるやわらかさに

野菜

• しっかり下茹でし、皮や筋を取り除く
• 水分と一緒にミキサーにかけてからとろみをつけると口当たりが良い

飲み物

• お茶や牛乳などは直接とろみ剤を加え、均一になるまで混ぜる

このように、食材ごとにとろみの付け方を工夫することで、噛まなくても食べやすい介護食を簡単に作ることができます。

嚥下障害を考慮した食事介助の注意点

嚥下障害のある方に食事を提供する際は、事故を防ぐための細やかな配慮が必要です。

• 食事の姿勢：背筋を伸ばし、椅子に深く腰掛けて頭部をやや前傾にする
• 一口量：ひと口の量は小さめにし、飲み込む様子を確認しながらゆっくりすすめる
• 声かけ：しっかり飲み込んだかどうかを確認し、焦らせない
• 温度管理：熱すぎず冷たすぎない適温で提供
• 食器の工夫：すくいやすい食器や滑り止め付きのスプーンを利用すると安全
• 見守り：食事中は目を離さず、むせや咳込みがあった場合はすぐに対応

食事中の小さな変化やサインを見逃さず、利用者一人ひとりの状態に合わせて丁寧に介助することが、安心して食事を楽しむための大切なポイントです。

特殊な介護食の作り方｜ゼリー・プリン・団子・お餅

ゼリー食・プリン食の作り方とコツ

ゼリーやプリンは、飲み込む力が弱くなった方にも適した介護食です。安全に美味しく仕上げるには、食材の選び方や調理法に工夫が必要です。ゼリーは、果汁やだし汁にゼラチンや寒天を加えて作ります。プリンは牛乳や卵を使い、滑らかな口当たりに仕上げることが大切です。市販のゼリーの素を利用すると手軽ですが、手作りする際は水分量やとろみ加減を調整しましょう。食材の持つ栄養も意識して、ビタミンやたんぱく質を取り入れると健康維持に役立ちます。

料理名	主な材料	ポイント
ゼリー	果汁、だし、ゼラチン	水分量と固さの調整
プリン	牛乳、卵、砂糖	滑らかさと口当たりの良さ

• ゼリーは冷蔵庫でしっかり冷やすことで、型崩れしにくくなります。
• プリンは蒸し器や湯煎でゆっくり加熱すると、なめらかな仕上がりになります。

ムース食・団子・お餅の工夫と注意点

ムース食や団子、お餅は、咀嚼力や嚥下機能に配慮して作られる特別な介護食です。ムース食は、主菜や副菜をペースト状にし、ゼラチンや増粘剤で固めて作ります。団子やお餅は、通常よりもやわらかく作り、のどに詰まりにくいように工夫が必要です。特にお餅は誤嚥や窒息のリスクが高いため、小さめにカットし、水分を加えることでやわらかくします。市販の介護用お餅やムースの素を利用するのもおすすめです。

料理名	工夫点	注意点
ムース	食材をペーストにし増粘剤で固める	固さと滑らかさのバランスに注意
団子	じゃがいもや豆腐を混ぜてやわらかくする	大きさ・水分量の調整で詰まりを防ぐ
お餅	小さくカットし水分を加えてやわらかくする	のど詰まり防止のため必ず見守りが必要

• ムース食は彩りや味付けを工夫して見た目も楽しめるようにします。
• 団子やお餅は、必ず食事中の見守りを徹底しましょう。

アレルギーや咀嚼力に配慮したアレンジ例

アレルギーや咀嚼力に合わせた介護食のアレンジは、食べる方の安心と健康を守るために重要です。アレルギーがある場合、乳製品や卵を使わずに豆乳や米粉で代用することが可能です。咀嚼力が弱い方には、食材を細かく刻んだり、ペーストやムース状にして提供すると安全です。調理の際は、使用する食材の栄養バランスにも配慮しましょう。

• 牛乳アレルギーには豆乳プリン、卵アレルギーには寒天ゼリーが適しています。
• ゼリーやムースは、季節の果物や野菜ピューレを使うと栄養価が高まります。
• 市販のアレルギー対応商品も活用できます。

対象	おすすめアレンジ例	ポイント
乳製品不可	豆乳プリン、寒天ゼリー	栄養価と滑らかさを重視
卵不可	寒天ゼリー、果物ピューレムース	アレルゲンを避けて調理
嚥下配慮	ムース、柔らか団子、ゼリー	喉ごしの良さと水分量の調整が重要

• 必要に応じて、とろみ剤や増粘剤を使い、飲み込みやすい状態に仕上げましょう。

店舗概要

店舗名・・・お弁当どんまい
所在地・・・〒640-8314 和歌山県和歌山市神前173-1
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